東和組立株式会社様 訪問感想レポート
平成29年9月15日に東和組立株式会社様へ訪問しました。
当会社は岐阜県美濃加茂市にあり、車のショックアブソーバーなどを組み立てして販売する会社です。
今回、板津社長が自ら会社説明をして頂きました。
この会社に見学に来る人は障害者雇用について中心に見学されるそうです。そのため会社説明も社会を中心として話しされました。
障害者雇用は現在従業員数123名中、17名と雇用率22.5%であり、法定雇用率を大幅に上回っています。
また就労継続支援A型 B 型を運営しており、工場での仕事を切り出して事業所で手伝ってもらい、更に仕事ができるようになれば工場に入り、少し負荷が重い仕事をしてもらい、最終的に工場の社員として採用する形を取られています。そのためには、一人一人の作業能力の評価をしなければならず、目標数字と達成数をグラフ化して成長度合いを把握するようにされていました。
障害者には様々な形があり、個人も様々な能力があるため、同じ動きをすることが得意な人もいれば、何かを記憶することが得意な人もいるため、その人個人の能力に合った仕事を切り出して担当してもらう「適性」を見極める努力をされています。この適正を見極めることが適材適所につながり非常に大切でないかと思います。さらには一般健常者の仕事の割り振りにも応用出来る事から、工場内の仕事の効率化にもつながると考えられます。
工場内を見学させていただきました。工場内の機械を取り扱うところでは障害者と健常者が同じ場所で働いています。私たちでは、どなたが健常者で障害者であるか見分けがつかないほど、同じ様に熱心に働いておられました。
説明してくださった社長が「あの人とあの人は障害者ですよ」と教えてくれない限り、誰もが素早く熱心に働いていました。それほど自分の職務内容を理解し体で覚えている証拠だと思います。
そして見ていると、リズムよく体を動かして作業されており、工場全体が非常にリズミカルに動いてる様に感じました。機械に追われている風ではなく、自分なりのリズムを持って動いている様に見えます。良い工場だと思いました。
私も以前工場で働いていた経験があるため分かりますが、リズミカルに動いている時は非常に良い仕事ができ、また怪我もありません。このことは社長も、同じ事を仰っていました。
障害者雇用について意見交換をする際に板津社長は「親が子供に仕事に就かせることに対して、うちの子はできないとの前提、思い込みから、働かせないことが問題だ」と意見されました。先述のように、板津社長は障害者であっても繰り返し訓練することで、作業能力が高まる前提で考えています。実際に能力は高まり、現実に工場で働いておられるわけですから、この様な現場を見にくるべきだと思います。
そして障害者雇用でも最低賃金の除外認定は受けず、賃金以上で雇用されています。社長曰く「誘惑に駆られることもあるが、一回やりだすと全員を最低賃金以下で雇用することにしてしまいそうだから」と、努力されています。
障害者支援施設も、工場の仕事一本では収入が一つしかないと言う事で、新たに餃子を作って売る試みを始めています。後々独立できるように将来は店を出す予定です。今でも餃子は工場近接の施設で販売していますので、気になった方はお買い求めいただければと思います。
東和組立株式会社自身も、取引会社が一本化されているため、会社の継続を考える上で、取引先を増やす試みをされても良いのではないかと思います。
お話を聞く限り無理をして障害者雇用されているわけでもなく、相談が来たら乗る形で運営されてるところは非常にバランスが良い経営をされてるように思います。
そして私の住む岐阜県美濃加茂市にこの様な会社があることを嬉しく思います。
また訪問したいと思います。
今回はありがとうございました。