社会福祉法人美徳会(ビアンカ)様

社会福祉法人 美徳会(ビアンカ)様へ平成27年8月7日に訪問しました。

今回は私が見学会を企画したため、電話にて会社訪問の許可を交渉をした際には、電話越しの声からも担当してくださった職員の方の飾らない人柄と様子が伝わり、好印象を抱きました。やはり電話一本でも分かる事があると思います。

 

訪問して第一印象は立派な施設で、清潔で明るく、高級なホテルに来たように感じました。これも利用者とそのご家族が安心して利用できるようにされているのでしょう。

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訪問して通してくださった場所は体育館のような部屋で、前方には演劇でも出来そうな舞台がありました。後でお聞きしたところによると、年の始めに、ここに職員を集めて理事長が今年の目標や、その意味や想いを伝える場として使われているそうです。やはり直接顔を合わせて一人一人の職員へ向かってリーダーが伝える意味を感じておられるようです。

また、節目にイベントを用意し、全員参加でその意味を理解してもらう事はとても大切であると思います。その際の伝え方も気になります。

更に、年度の目標はTシャツにプリントし、背中に背負わせ、1年間忘れずに実行してもらおうという面白い取り組みもされています。その際は地元の服飾専門学校にデザイン協力を依頼し作成されているという点も楽しげで素敵です。

 

お話を西尾とき子理事長と岩塚慎二事務長にお聞きしました。

 

西尾様の義父が脳梗塞で倒れられ、不自由な生活をされた時の経験を基に施設を設立するに至ったこと。経験から利用される方にとって、まるで自宅のように安心して一つでも楽しい思い出を作って欲しい、そんな思いからビアンカ(美安家)と名付けられたことを説明くださいました。

理事長は普通にお話され、また自然と起業されたのでしょうが、非常に理にかなっています。物語が有り、そこに理念が詰まっており、それによって経営方針の芯が定められ、実行されている。これは同業者が近くに現れても真似できない素晴らしい戦略であり財産です。

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福祉関連の学校で学ぶことはしておらず「一住民、一市民の立場で考えた」とのお話で、一般的な固定観念に縛られない柔軟な発想で経営されてきたことも強みになっているようです。苦労はされていると思いますが、他の会社でも見させていただいたように「自分で考え、実行する」たゆまない努力が今の美徳会を作り上げてきたのであろうと想像しました。

 

西尾理事長の特色として毎朝、施設を周り、従業員と利用者を一人一人見てあいさつし、職員のみならず利用者の顔と名前が一致している点があります。利用者の顔色を見て健康状態を確認する事や、従業員の様子を毎日見る習慣から、施設に関わる人全員が美徳会様への信頼を得ているように思います。

 

美徳会様の課題として人事考課評価制度の難しさを語られており、公平、公明、公正な制度をつくる難しさを教えて頂くのと同時に、評価制度を大きく機能させずに今までやってこれた点に注目すべきであると思います。

評価制度から役職者への抜擢が基本的な人事であるのですが、こちらでは「本人が気付かない所で仕事を任せ、試しにやってもらって判断する」「適材適所を心がけている」とのことで、評価項目ではなく、実地で能力を観察し、場に合わせる方法が機能しているようです。これは観察者の職場への理解が高度に求められる方法であり、これ自体も現状に合った方法なのでしょう。

また、先ほども出た、理事長が日々職員の顔を見ている事実から、仕事ぶりも見ており、日々の観察から評価している感覚的なものが正しく機能し、組織を安定させているのではないかと推測します。それは、職員から見ても「きちんと見てもらえている」安心感や公平感が職員の労働条件や処遇に対しての納得感と繋がっているのではないでしょうか。つまり制度よりも人による経営がなされていると言えます。

 

心配であり、興味深いのは、今後、理事長の跡を継ぐ人が、どう理解して今のバランスを保つのか。もしくは新たな組織に変えてゆくのかです。お話を聴けば少しずつ岩塚様への権限委譲や引継ぎをされているそうですが、理事長の人柄やリーダーシップに付いて来た職員から次のリーダーへのリーダーシップの引継ぎがどうなってゆくのだろうか気になります。仮に制度化を進めるにしても、人に依る部分を大切にを続けてほしいと思います。

 

施設の見学も紹介してくださいました。入浴は利用者に切れ目なく入浴してもらい、ほとんどオートメーションに近い形で済ませることで、出来るだけ時間を作り、利用者の方の外出する時間などを作り、例えばお寿司を食べに出かける等、利用者様の楽しい時間を多く作りたい。職員の時間を短縮し、例えば利益率を高めるのではなく、利用者のために時間を上手に使おうとする姿勢が素晴らしく思います。

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はじめ岩塚事務長にお会いしたときには失礼ながら私の目から見て不機嫌そうでしたが、最後には表情を緩めてお話されていたのを見て、まずはこの「いい会社」の勉強会と言う組織が何者か分からない点と、私の方も緊張していたことが、岩塚様にも伝播してしまったのであろうと思いました。反省します。それでも受け入れてくださった姿勢に感謝いたします。また、予定時間を超えて対応してくださったことにも感謝申しあげます。

今回は見学させていただき、ありがとうございました。

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