株式会社サラダコスモ様

平成27年8月7日(金)に株式会社サラダコスモ様へ訪問しました。

初めに、私は岐阜県民なので、「ちこり村」の名前では知っていました。特に中津川を自動車で通る時に看板があり、なんとなく「道の駅」のイメージで通り過ぎるだけだったのですが、今回訪問して、見事にその予想は覆りました。

「ちこり」とはキク科の植物で食品として流通しています。その他「もやし」「スプラウト」等の生産販売で年商83億円と立派な企業です。モヤシなどはとても安い食品であり、そこから利益を上げることがまた大変なことは想像に難くありません。

 

「いい会社」と呼ばれるような会社へ訪問するようになって気づく一つの事実として、これらの会社は、一見利益が上がらないような業種、誰もが参入できそうな業務内容、といういわゆるレッドオーシャンの中で利益を上げ、継続的に黒字であり、さらに多くの人々を幸せにできるような経営をされています。

この不思議を少しでも解明しようと見学している訳ですが、理想と思える、人によっては空想と思える経営が現実にあるのを目の当たりにすると、「いい会社」が日本に増える可能性を実感として信じることが出来ます。

 

ちこり村へ車で到着したところから副支配人である中田澄美香様が到着を迎えて下さいました。

そのまま「ちこり村」にある訪問者への「ちこり」紹介の見学ルートに添って説明いただきました。説明して頂いたのは60歳を超えて当会社に雇用された女性の方で、活き活きと「ちこり」について説明して下さいました。

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また、社長の大切にしている考え方「江戸時代末期の儒学者、佐藤一斎先生の言志四録」の言葉も判り易く現代語訳されて掲げられてありました。「言志四録」の一文を総理大臣の小泉純一郎氏が国会で述べたことがありました。地元岐阜の偉人を知らず、不勉強な自分を反省し、書籍を読んでみようと思います。

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「ちこり」は上の葉が食用となり、下の芋が焼酎になります。今回は時間が足りず購入できなかったので、次回購入して飲んでみたいと思います。共に訪問した望月さんが試飲で顔を真っ赤にしてしまいながら、社長と面談したのは失礼しました。しかし楽しい思い出になりました。

 

サラダコスモ株式会社の本社は「ちこり村」の2階にあり、階段を上がったすぐに立派なオフィスがあり、応接室で代表取締役社長の中田智洋様にお話を聴きました。

 

中田社長は現在65歳、生い立ちからお聞きしました。仏教大学で仏教を学び、その哲学が人生の転機となったそうです。「日本に影響を与え、日本の基本がここにあり、いい国だと思える部分がここにある」またその基盤としての考え、つまり人生観が今、通じないことについて戦後の学校教育や社会観が大きく変わったことから「今新しい社会観を作る時期に来ている」と仰いました。

戦後の日本を復興を行ったのは、戦前の教育を受けた人々であり、もちろん戦争を正当化する教えではなく、勤勉で勤労意欲が有り、和を尊ぶなどの面での人生観についてお話されたと理解しました。戦前の全否定ではなく、反省もしますが、戦前の多くの良い面を今学び、新たな社会の形に合わせて今から将来に向けて活かしてゆく努力が必要なのだと思います。

 

会社経営について「公序良俗に反しない、生き方で経営する」面と「お金を物差しにしなければならない、自助自立しなければならない」面の両立が難しいとされ、仏教哲学より難しいと感想を述べられました。

 

ちこり村のテーマとして4つを上げられました。

「①日本の食料自給率に貢献する ②地域の使われていない農地を活用する ③高齢者の生きがいをつくる ④町の活性化に貢献する」

そしてサラダコスモは農作物ちこりの生産を通じ①②に関わり、ちこり村を中心とした施設で高齢者の雇用を行い③に貢献し、ちこり村での地元の生産物の販売などを通して④に貢献しています。

4つのテーマは現在の日本の課題であり、中田社長は地元の現状を把握し、利他の心を持って貢献を実行することで、解決方法の一つの形を提示しているように思います。

 

「従業員が多くなり、一人一人目を配る事が出来なくなっていますが、経営者としての想いを伝えるのに、どのようにされていますか?」との私の質問に「手間や費用が掛かっても、社員を集め、顔を合わせて話を伝えている」「交渉や相談事も顔を合わせて話し合っている」とお答えになりました。

また、今後も大垣に新たな工場をつくる予定とのお話もあり、次々にチャレンジする中で、従業員への動機づけに経営者の全身で伝える「今、あなたと同じ場所に居て、あなたに伝えている、その姿勢」に意味があり、効果があると感じられました。

 

最後にスプライト等を生産している工場を見学しました。

ちこり村からは自動車で移動して到着したのは山奥にある大きな工場で、一見して外からは農作物を生産している様には見えません。

工場の外は綺麗に整備され芝生の庭が続き、見事な景観となっています。

工場の中に入ると、白を基調とした受付と廊下が続き、工場の担当者が説明してくださいました。担当者の方は、普段は来場者への説明をされていない様子でしたが、一生懸命にお話ししてくださいました。

種に目を覚ましてもらうように暖かいお湯に浸け、発芽するよう種を蒔き、成長するように明るいハウス内へ移動する行程など、農産物生産作業の大半が人の手を介さず、機械で自動に行われており、手の掛かるのは製品の袋詰め等の出荷時で、その行程も多くの従業員が非常に手際よく作業され、ここまでの一連の業務が効率的な導線で結ばれており、全く無駄の無い工場となっていました。

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機械的、機能的な面ばかりに目を奪われがちでしたが、ちこり村から工場までの紹介に同伴してくださった中田澄美香様がガラス越しで声が届かない従業員数名に目と表情で挨拶しておられたのも印象的で、ここでも顔を合わせて伝える実践をされているように見受けられました。

 

機械で効率化出来るものは投資をし、徹底的に効率化し、安定的な経営を目指し、人にしか出来ない部分について理解し、人としての能力を発揮できるよう環境を整え、接する。常に探求心をもって研究し、新たな試みをされている姿に、中津川という山に囲まれた町で、とても先進的な企業を見ることができました。

貴重な時間をいただき、今回はありがとうございました。また訪問したいと思います。

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