キシ・エンジニアリング株式会社様

平成26年10月4日に訪問させていただきました。

岸社長にお話を聞きました。

社長は前日まで東京にいらしたということで、お疲れのところありがとうございました。

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現在、自動車会社の製造ラインの機械を設計し、製造する方向が忙しくなり昨年度の倍の利益を上げており、素晴らしい反面、忙しいため介護用品の方面の企画製造の方が少々疎かになってしまっているため、そのバランスが経営の課題となっているようです。

会社の現在の方針として上記のように介護用品以外の製品で利益を出し、採算度外視で介護用品を製造販売またはレンタルしてもらう形となっています。介護用品のいくつかは求めている人が少ないニッチな製品ではありますが、製品を世界に広めて頂いて、目標としての本業の介護用品の比率を高くなるようになればよいと思います。世界中の人々が必要とされる製品であり、つまり、キシ・エンジニアリングは世界に必要とされているのです。

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税金についても日本の中小企業は税金を払わない、払えない状況の会社が多い中、利益が出たらきちんと納税し、それによって好調な時期に内部留保を確保する方針とされており、正しい経営をされていると思います。

反面、リーマンショック時には利益が出ず苦しんだ時期もあったそうで、その際には保険による補てんで乗り切れたお話もありました。その際には社長のお金を使って従業員へ給与を払ったそうです。この事実を従業員は知っているかどうかわかりませんが、この人について行こうと思える人であることは間違いありません。技術者出身の経営者は技術一辺倒で、会社経営がおろそかになっている方も世の中に多いように見受けられますが、経営の良い時期と悪い時期を乗り切る経営者の面を垣間見ることができました。

 

岸社長は現在70歳ですが、お会いしてその若々しさに驚きました。仕事と人生を楽しんでいる、そんな印象を受けました。「仕事を楽しむこと。もちろんその世界で一番になるように頑張ることも大切。」とアドバイスを受けました。その言葉は良く聞く言葉であっても、伝えて頂く人、時期、タイミングでこんなにも響くと知りました。ありがとうございました。

冗談も多く、人を楽しませるのも自分の役割とされており、心の機微を知っておられるように見受けられました。

休日にもかかわらず従業員の方が出勤されてきており、今日の出勤を社長も知らなかったようです。時々自主的に休日出勤をされるようです。仕事に来るのがきっと楽しいから休日でもやってくる。従業員に対して冗談はあまり話さないと言いつつも、きっと楽しく、やりがいのある職場なのでしょう。このような職場の風土が出来ているのも素晴らしいと思います。

会社設立の場所を地元に決めた理由を伺いました。理由は簡単で「ここに土地を持っていたから。」でした。「自分の仕事は場所はあまり関係なく、全国へ出荷できるから。などの理由は後から分かってきたこと。」で、創業前に綿密な事業計画を立てて計画通りに実行してきたわけではないと分かりました。

更には創業するつもりで会社を辞めたわけではないことも意外でした。

また離職後に友人からの「このまま終わるわけにはいかないだろ」と指摘を受け「会社を作るなら手伝うよ」と申し出る人も現れたことを理由に創業したこと。創業した際に、勤めていた会社から仕事を多く頂き、順調な滑り出しだったことは岸さんの会社での働きぶりや人柄が評価されていたことが分かります。「創業する思い切りの良さは勤めていた会社の豪快な仕事のやり方から学んだ」ともおっしゃっていました。創業する前までの生き方がその後に繋がってゆく。人生は退職、創業など区切りがあっても一つの流れにあるように感じます。

 

創業する前の会社の、その前の会社に勤めていたときに年に2回は胃潰瘍になり、つらい職場であったこと。その為に会社を離職したこと。これはお子さんに起こった出来事と関わりはありますが別であり、キシ・エンジニアリングを取材した書籍やインターネットの書き込みなどで書かれた内容とは異なるお話でした。

やはりこうしてみると、いい会社を知ろうとすればその現場まで行き、ご本人の言葉で確認しなければ本当の事は見えてこない事実があります。

岸社長は会社従業員時代に海外に視察に出たことがあり、海外の事情を自分の目で見てきたことが今の海外への視点を育まれているように思います。現在も旅行と視察を兼ねて海外へ出かけられており、精力的な活動に驚かされます。従業員へも海外の情報を日々伝えることを大切にされているようで、介護用品の中で世界に通用するものを造ろうとする姿勢がうかがえました。また従業員が広い視点を持つことの重要さを教えているのだと思います。それによって、岸社長の頭に頼らない新しい製品アイデアが従業員から生まれるように育てているのでしょう。

岸社長の製品開発能力がこの会社を支えているように見受けられましたので、今後は息子さんを中心にした従業員の能力を引き上げてゆくことが大切に思われます。それと同時に岸社長の経営哲学を十分に伝え、会社の軸がぶれないように今後もこの会社が存続されることを祈っています。

 

最後に畑でイチジクをその場で採って、食べさせていただきました。甘くて、とてもおいしかったです。それと同時に自分に土地があって、いつでも野菜を育てられたり、工場さえ造れたりするのは「土地があると精神的にも安定するだろうなぁ。」と感じました。

これからも多くの人に必要とされ愛される会社でありますように。今回は会社訪問させていただきありがとうございました。

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