スギ製菓株式会社 様

平成26年7月18日にスギ製菓株式会社様に訪問させていただきました。

初めに工場を見学しました。工場内は材料を焼き上げ乾燥させる必要から室温45から50度あり、食品衛生上、従業員は帽子やマスクをして働いており、と働く人にとっては厳しい環境の様子で、スポットクーラーがあるとはいえ、大変な仕事であることが窺えます。それでも従業員はやめることは無いので、それを補って上回るような魅力がこの会社にあるのではないかと考えました。

機械は食材を機械へ入れるところからせんべいになって出来上がるところまで流れてゆきます。その機械一つに従業員が一人責任をもって仕事をされており、せんべいが美味しいかどうかの確認をし、異常が有ったら機械を止めるなど、従業員一人に権限と責任を与えることでモチベーションを与えているように思います。

味覚検査をする責任者の方もおり、資格を得るためには試験もあるようで、繊細な舌を持つ人の感覚1つで仕事の可否が決まる大変な仕事です。上司が食べて確認するのではなく、専門性を持たせた従業員が責任と権限を持っている点も合理的で従業員の仕事への積極性を高めているように思います。

この会社ではOEM製造として他社の御菓子を依頼を受けて製造しています。顧客は日本全国にありその土地の名産と思われているものが異なる地方の碧南市で作られている事実は非常に面白いです。またこの会社では自社製品の比率と比べOEM商品の生産が多く、製品の信頼度が高く、またせんべいの販路が広がるため、今後も売り上げは上がる可能性が多くあると見られます。

 

杉浦三代枝会長から直接、会社の歴史や理念、経営計画についてお話をしていただきました。

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はじめに「取引先が一つ減って売り上げが2億円へってしまってねぇ。」とサラリとおっしゃっていましたが、聞いているこちらが驚きました。大丈夫なのだろうかと心配するところですし、会社の弱みを見せることにもなるからです。

会長は、この事実をきっと困ったことではあるけれど、この会社と従業員を信じている為すぐにカバーする事が出来る、もしくは儲かっているから問題と見ていないのかもしれませんし、弱みとも考えておられないのでしょう。多分社内でも従業員へ伝えておられると思います。それによって、黙っていて後から発覚するより、むしろ、頼もしく感じます。

同じように、自らの失敗や社歴として過去に税務署の指導が有ったことなどを語り、包み隠さず話される姿に真摯で誠実な姿勢を感じ、これもまた会長から社長へ、従業員へと伝わって引き継がれてゆくのでしょう。過去のミスを伝えることで同じ過ち、似た過ちを二度と繰り返さないように出来る点もあるでしょう。こうして会社は成長してゆくのだと思います。

初めて直売店をつくった話では、その前に関連会社が倒産する情報を聞いて、以前から温めていたアイデアを実行するタイミングを合わせたように見受けられました。会社に打撃が来る前に、新しい試みをして、新しいビジネスモデルをつくる。情報収集や分析、未来への予測、対応と実行のタイミングの計り方や決断力、新しい仕事をする従業員からの納得を得るための信頼関係など、大切な要因はたくさんあるように見えます。場当たりの簡単な出来事ではなかったと想像します。

トイレ掃除に象徴する従業員の成長を促す取り組みが幾つかありました。他社の社長が「自社の従業員も参加させたい」と申し出ても、許可はさせないそうです。それは「社長自身が掃除をしないのであれば意味が無いから」で、杉浦社長は掃除によって何が得られるのか、何が必要かの本質を把握されているように感じます。掃除をすれば何だか良くなるのではなく、掃除の何が良い影響を与えるかを考えるべきだと学びました。

同じように、「徳」「運」と表現するものに一般的な解釈にある曖昧さを排する積極性と明確さ、目に見えないものを大切にする姿勢を感じました。

 

最後の質問の時間に「新卒採用に4回も面接があるのですが、何を見られているのでしょうか?」と質問させていただきました。

理念に共感する人や謙虚さ、素直さを見ると同時に、「次会いたい人を」選び、3次面接で役員や担当者が選ぶそうです。その際は面接官が個人で選んだ人が他の面接官の選択と一致するとの話でした。自社に来てほしい人財の要件が言葉になっている面もあれば、感覚として共有されている面もあるように見受けられました。今後、どのような会社にしたいかの想定があり、長年培ってきた会社の風土が浸透しているからこその意見の一致があるのではないでしょうか。

 

訪問後に販売店舗である「えびせん家族」本店に移動し、商品を幾つか購入しました。その際に偶然、杉浦敏夫社長とお会いし、記念撮影をする事が出来ました。会社ホームページの強く迫力のある写真とは違い、社長の柔らかい表情や物腰がとても優しく会長の後継者としての資質を感じました。

売店での買い物の最中にその他の御客が買い物に訪れていました。私の地元岐阜県ではせんべいをせんべい専門店で購入するような発想は買い物客にはないように思います。そのため、スギ製菓さんが時間を掛けつつ販売店舗を9店舗と広げることで、せんべいを専門店で買う文化が地元に根付いてきたのかもしれません。

帰宅してお菓子を頂きました。おせんべいがおいしいです。サクッとエビチョコは炎天下の車の中でもチョコが溶けずに美味しくいただけたのが面白かったです。

会長様と従業員の方には貴重なお時間を頂き、感謝したします。最後にスギ製菓様のご発展と従業員皆様のご多幸をお祈りいたします。ありがとうございました。