聖隷三方原病院 様

平成26年5月23日に社会福祉法人 聖隷福祉事業団 総合病院 聖隷三方原病院様に見学させていただきました。

病院に到着して初めに気づくのは来院者の車の誘導から車いすや補助具への移し替えをされているスタッフのサービスです。このような方がいらっしゃると体の不自由な患者が非常に助かっている場面を見る事が出来ました。

次は傘置場で晴れであるのにかかわらず、傘が一つさしてありました。ただし、スタッフの方がそれを気にして移動させていました。心配りがされていていました。

訪問時の初め、ご説明を頂くまで時間が有ったため昼食を頂きました。メニューを注文してからトイレに行くために食堂の外へ出て帰ってきたときに食堂の従業員さんに「おかえりなさいませ。」と声をかけてもらいました。この一言でお客様の一人一人をしっかりと認識して接しておられることが分かりました。委託業者なのかもしれませんが食堂の従業員さんも素晴らしい対応です。患者やその家族にとっては食堂も病院の一つですからとても大切に思います。食事もとてもおいしかったです。

書店を見ようと思い、構内図を見ながら歩いたのですが、迷子になってしまいました。通りかかった職員の方に尋ね、参考に移動し、更に自分の足で探すことで見つけました。また、患者と思われる高齢女性二人の会話を聞き取りましたが「あちらかな?こちらかな?」と受診される場所を探しておられる様子でした。大きな病院のため仕方ない面もあるかもしれませんが、この点には少し工夫が必要かと思われます。

 

ドクターヘリを見学しました。ヘリコプターを近距離で見たことが無かったのでとても興味深く、患者を搬送するために特化した構造が面白かったです。人口が減少し、ひょっとすると社会保険の患者の自己負担率が上がる可能性のある今後、病院への受診率が下がり、地方の病院の経営が難しくなり病院自体が少なくなってゆく可能性があります。その時、この様な遠距離を患者の負担無く移動させる機能は今後、非常に重要になってくるのかもしれません。お話を聞いたところドクターヘリを飛ばせば飛ばすほど赤字になるそうです。この取り組みのために、国が正式にドクターヘリの制度導入を決める前のデーター取得をこちらの病院で蓄積されたそうで、県や市からの補助があるそうですが、今後もその重要性を訴え続けて維持する努力の必要であるように思いました。

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病院内を歩いて移動しました。大きな病院とあってかなりの距離があります。その間、平たんな道ではありません、傾斜を登ったり下がったりで途中、足が躓いてしまいました。何故このような構造になっているのか気になったのですが、建物の建築時期が異なり、更に建築基準があるためにこのようになったことを知りました。更には設置設備の関係もあるようです。

病院内は適度に明るく、窓ガラスの汚れも無く、当然ながらゴミやほこりも少なく清潔で、行き届いた環境でした。手すりのある場所には基本的に邪魔になるものは置いてありませんし(1か所だけゴミ入れが置いてあったところがありましたが、必要なのでしょう。)、病院のみならず、良い企業を見学したときに感じる、必要なものだけがそこにあり、不必要なものが全く見えない理想的な環境でした。

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すれ違う看護師や職員の皆様の明るい笑顔とあいさつも、心が癒されるようでとても素敵でした。

一つ、非常ドアの横に多くの段ボールが置いてあった箇所があり、そこは通れるとはいえ地震等の場合は通れなくなる可能性があり気になりました。

患者に明るい病室で過ごしていただこうとする姿勢や、不安を抱えている人々がお互いの気持ちを共有でき、孤独感を無くせるようにと取り組まれている「じゃがいもの会」や、心のケアとして相談所を用意したり、家族団らんのための部屋を用意しており、更には部屋代を頂かない場所もあると聞き、経営が病院の枠を超えて世のため人のためになるように行われている点に非常に感心しました。

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説明していただいた方の言葉として「良い事だったらやってみよう。地域から望まれていることをする。その姿勢をブレいないようにする。」言葉にチャレンジ精神とサービス・ホスピタリティの精神を感じました。

また、新しい取り組みや事業を行う際に予算ベースで採算の合うように、1事業で合わない場合は全体のバランスを見て採算の合うように行うとのことでした。問題点として事後の成果と採算とが事前のシュミレーションに合ったかどうかの綿密な確認が出来ていないと仰っていました。素晴らしい取り組みをされているので、その想いを実現できるように事前の目的と期待を明らかにし、明確に設定し、事後に評価できるようにしておくことで、更にその後の計画が正確にできるようになるのではないでしょうか。

頂いた資料を読ませていただきました、70周年記念本の関係者のお祝いの言葉とされる中にも、関係者の中には今後の病院の未来を思っての厳しいお言葉を記されているかたがいらっしゃって、良い人々に恵まれているとうかがい知ること出来ました。また、この様に本にすることで、関係者が手に取り理念や歴史を振り返る事が出来、勤めている病院に誇りを持てる効果もあるように思いました。

私は会社経営についての勉強をしている最中で、そこで学んだ一つは「企業の初心(起業しようと思い立ったその理念)はその企業が存在する限り変わらない。変わってしまった場合、経営が不安定になる。」です。聖隷三方原病院は隣人愛「他者の幸せのために生きることが人生の目的」を掲げ、現在でも利益一辺倒ではなく、患者とその家族・地域社会を思いやる姿勢を感じました。働いている方々も明るく、病院内も明るく清潔で、その理念に沿っているように感じました。きっと今後もいい病院であり続ける事が出来ると思いますし、そうあっていただきたいと思います。

今回はお土産に多くの資料を頂き、また貴重な時間を割いて頂きありがとうございました。