株式会社 琉球光和 様

2014年2月20日に株式会社 琉球光和様へ訪問しました。

訪問させてまず目に入ったのは本社1階のオフィスです。その日は雨が降るくもり空で、薄暗かったのですが、オフィスは非常に明るく、見上げると蛍光灯が多く設置されていました。きっと活発に動く必要のある部門なのでしょう。仕事場の環境作りから違いを見ることが出来ました。

 

秦一社長にお話を伺いました。お忙しい中、時間を割いていただいて有り難うございました。

私個人的には何とも表現するのが難しい印象を受けましたが、あえて表現するとしたら、訪問させていただいて最後に感じたのが「いい意味で沖縄らしくない会社」です。なぜそう思ったのか?考えてみたいと思います。

 

先代から会社を継ぐ際に平社員から始めようとしたが、副社長として入社になった時、社員に「お手並み拝見」的な対応をされるかと思いきや、歓迎されたそうで、それを沖縄の県民性のようにお話されましたが、きっと先代の育てた企業風土もしくは先代が社員から愛されていた為なのではないでしょうか。その意味で良い財産を譲り渡していただいたのかもしれません。

 

秦社長は社長の仕事の一つとして「社員を経営者にする」を挙げられました。世間でよく聞くのは社長が社員に向かって「経営者意識を持て!」と叱咤激励する場面ですが、その裏には経営者の責任を社員に押し付け自己責任の名のもとに無茶な仕事をさせる場合がありますが、それとは全く違い社員自らが会社の仕組みを作る一翼を担い、それによって社員自らが何を頑張ればよいのか、何を目的に働くべきなのかを自分たちで考え実行する、一人一人が待ちの姿勢から自主的に動き出す仕組みになっていました。

これは社員を信頼していないとできません。そして社員の試行錯誤を長い目で見て待ち続けなければできません。ここにも「人を信じること」「待てること」のキーワードが出てきます。

 

秦社長の言葉の「辛いと思ったことは一度もない。」が印象的でした。一般的なイメージでは苦労の連続を乗り越えて成功があるように考えられがちですが、事実は全く逆のようです。悩む社長もそれなりに魅力的ですが、いつも明るく楽しく元気な社長の方が人は安心感を持つし、惹き寄せられるのでしょう。その意味で秦社長は後者であり、非常に魅力的に感じました。きっと秦社長は社員が主役になって自分は目立たないように心掛けているように思いますが、いい意味で目立っています。

また「敢えてつらい場面を言えば、社員に社員の評価制度をつくらせたらボーナスがゼロになった時。」だったそうで、このときは秦社長の鶴の一声(ボーナスを出します、と秦社長が決定すること)を望む空気をひしひしと感じられたが、それをやってしまうと社長が作った制度になり、「社員を経営者にする」事が出来なくなってしまうため、我慢したとのこと。これは社長の仕事を社長自身が明確にしており、周りがどんなに騒いでも、それを決して曲げない強い意志が必要です。その点もすごいと感じます。

 

社員教育の一環として早いうちからPL、BS、CF、を学ばせ、部門ごとに考えるようにさせることによって、社員が経営者の視点でものを見るようにするお話しは、アメーバ経営を思い出しました。多少違いはあるにせよ元を辿ると原理原則と方法が似通ってくるものを感じます。

 

社員採用の「消えた社長の謎」イベントは、動画を見たところ開催する側も参加する側も楽しい企画でした。それでいて面白い優秀な人材を探す・企業PR ・社員発案の方法であり社員教育にもなる・応募者も楽しめて就活疲れを癒せる、と様々な利点があり、方法はアイデア次第だと感心しました。

 

医療器具の販売会社ということで、実際、医療器具の販売だけをやっていれば利益はもっと大きくなるそうですが、「医療人を支える・医療施設を支える・患者、社会を支える」を目指して、医療器具を売るだけではなく、もっと大きな視点から医療人のための支援、経営のコンサルティング、患者の退院後の支援など様々な業務を行っている。
琉球光和行動指針
利益だけを追求するのではなく、医療にかかわる全体をカバーできるよう仕事をすることによって、最終的には沖縄が良くなってゆくような大きな視点で会社を経営されていました。これは自分の代では終わらない仕事であり、その意味で自分の仕事を知っておられるような気がします。

 

私は「社員が経営者になるほど成長したら、秦社長の仕事は無くなる、もしくは減ってゆくと思いますが、その時には社長の仕事はどうなってゆくのでしょうか?」と質問させていただきました。

秦社長は「仕事は無くならないと思います。以前と今を比べると私がかかわる業種が変わってきているので、今後も関わる業種が変わるかもしれません。また仕組みや理念が形骸化しないように見る仕事があります。そして、今の仕事よりもっと長期の視点に立った仕事をすることになると思います。」でした。ここでも社長の立ち位置を知っておられると感じました。

 

経営に必要な人に対する理解とそれを踏まえたしっかりした会社の仕組み、対照的に秦社長の優しい笑顔やちょっと隙があるように感じさせる懐の深さが人を惹きつける。この絶妙なバランスが噛み合って隙の無い強い会社になっているように感じます。

ただ人の情に訴えるのではなく、さりとて会社の仕組みで固めて冷たい空気が流れる職場にもならない、出来上がった会社。東京にあっても、世界のどこにあっても経営できる会社。それが「いい意味で沖縄らしくない会社」と感じた理由なのだと結論付けます。

ありがとうございました。