株式会社 沖縄教育出版様

沖縄教育出版は街の中にあります。

いきなり素晴らしいのは、会社のある道の通りは沖縄教育出版の社長と従業員が朝に掃除をしながら通行人に挨拶をする取り組みを継続した結果「挨拶通り」と呼ばれているそうです。

そして訪問させていただいて映像で記憶に残っているのは壁一面に張られた標語です。

習字や印刷、図での表示、様々ですが、すべては経営者の「従業員を育てたい、成長してほしい。」その想いが、あれもこれもと現れているように感じました。

目について記憶に残っている標語を一つ挙げておきます「幸いにして 過去と他人は変えることが出来ない」

これが私の記憶に残っている、ということは、きっとそのとき私に必要だと自分の頭のどこかにあったのであろうと想像します。

このように壁一面にある標語は、社員さんのその時々に、すっと心に入ってきて大きな役割を果たしているのではないかと予想しました。

人が成長するには時間が掛かります。会社の成長は人の成長です。社員が成長するまで待てるからこそ会社が成長し良くなっていくのでしょう。どう教育するのかも大切ですが、待てるか?が大切で、そのためには会社は金銭的・気持ちにも余裕が必要です。これをどう経営するのかが大切に思いました。

 

また、経営理念の唱和を朝礼でされるようで、その時の一体感のために理念の文字の区切り(息継ぎ)に赤い点が付いていました。声を合わせることも仲間の一体感を出すために使う。出来ることは何でも使う姿勢と発想がすごいと思います。
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聞くところによると社長は「いい!」と思ったことは直ぐに会社に取り入れるそうで、更に社員さんの承認などは得ずに取り入れるとのことで、それについて社員さんに「困ったなと思いませんか?」と聞いたところ「決まったことをブツブツ言うより、それをどうやったらうまく行くか?考えます。」と仰っていました。この前向きな姿勢も魅力的であり、このチャレンジングな風土も少しずつ育ててきたのでしょう。

障害者雇用も社長が独断で決めたそうで、社員さんはその時もその前向きな姿勢でやってきたそうです。

社員が反抗的な態度を取らないのは「正しいことを社長はやっている、言っている」と知っている、信じているからなのでしょう。会長や社長が信頼されているのですね。

 

社員に毎日報告書を128文字で書いてもらい、それをまとめて翌日社員に配布する取り組みをされていました。これによって、誰がどんな良い取り組みをしているか、誰がどんなことを考えているか、誰がどんな悩みを持っているか困っているかを知る事が出来、協力できる人が自然とその人を助けるような形が出来ているそうです。会社の風通しを良くし、孤立させず、仲間意識を持ってもらい、社員のアイデアダシにも一役買って、と良い事ずくめのように感じます。
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この様に、社員に成長してもらうために、社長も常に新しいものを取り入れて学んでおられるようです。「クレド」を作ってみたが、結局会社に合わなかったため取りやめにしたお話を聞き、良かったものは続け、良くなかったものはすぐに止める、日々試行錯誤して今の状態があることを知りました。いい会社の社長は常に学び続け、学びを「実行」されています。

 

会社は基本的にマニュアル無しと決めているそうで、それはインターンシップの学生さんも同じで、自らやりたいことを考えてもらって、自分で提案し、自分で行動出来るようにしてもらうためだそうです。そのため、社員もお客様と接する際に相手のことを本当に考えて電話などでコミュニケーションを取るようになるそうです。時にはお客様を叱るような場面もあるそうです。それはもちろんお客様のことを思っての行動です。言って欲しいことを言ってあげるのが優しさではなく、相手に本当に必要なことを伝える、本物の優しさを感じます。そのため、コールセンターでの電話という限られたコミュニケーションで「生きる希望を電話一本で届ける事が出来る。」と知ったとお話になられました。これも、ある意味で仕事の域を超えているように思います。

時間と手間をかけることを良しとしている会社なので、この様な対応が出来るし、これによって社員とお客様の間の繋がりが強くなり、人と人の間の心のやり取りが出来る素晴らしい仕事として、社員さんも仕事のやりがいが大いに感じられるのではないでしょうか。

 

今回お話を聞かせていただいた社員さんは社長に反抗して一旦会社を退職し、別の会社で働いたあと、数字ばかり追いかける(別の)会社のやり方に満たされない気持ちを持っていたところを、社長に声を掛けられて戻ってきたそうです。
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戻りたくなるような会社、それだけでいい会社だと思いますが、辞めていった社員を心に留めている、これも素晴らしい社長なのだろうと思いました。

 

社員のほとんどが女性なのですが、その理由が社長の「沖縄のリーダーをたくさん輩出したい。」思いから、会社で育った男性が自由に外へ出てゆくのを奨励しているそうです。外で頑張ってもらいたい、外に出た人でも活躍しているのでそれで良い。その考えは会社の利益という枠を軽々と飛び越えて、世の中の役に立つという大きな視点で考えておられることが分かります。

同じ意味のエピソードで、沖縄教育出版さんは朝に会社前の道を掃除する習慣を続けており、通学途中の子供たちや道行く人に朝の挨拶をしているそうです。その通りには子供にはあまり良くない影響を及ぼすような飲食店が有ったそうですが、社長(現会長)が話しに行って営業時間帯をずらしてもらったりしているうちに、そのような店は別の場所へ移ってゆき、この通りには無くなったそうです。そして社長が「ここは将来『あいさつ通り』になるからな」と言っていたそうですが、実際に最近は地域の皆さんから「あいさつ通り」と呼ばれるようになったとのこと。このような経営者が身近にいたら誰もが尊敬するでしょう。

現会長の経営はこのように社員を引っ張ってゆく形のものだったそうですが、現社長は皆で力を合わせての形になっているそうです。時代によって経営の方法が変わるのか、初代と二代目の経営方法が異なる方が良いのかはわかりませんが、現状としてその形がマッチしているようです。

 

一見、普通の会社のように見えますが、所々にいくつも工夫がされていて、良い仕組みや流れがあり、活気があって、何やら底力を感じる。そんな会社だと思いました。

 

訪問させていただき、ありがとうございました